インフルエンザについての解説

インフルエンザについて

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる急性感染症のことをいいます。略称としてインフルがありますが、多くは上気道炎症状・呼吸器疾患を伴うことで流行性感冒(りゅうこうせいかんぼう)、詰めて流感(りゅうかん)と言われます。

インフルエンザは、1~3日程度の潜伏期間の後、38℃以上の高熱、頭痛、筋肉や関節の痛みが突然始まり、咳や鼻水などの症状が1週間程度続く感染症です。

季節性インフルエンザとは

季節性インフルエンザには、A型、B型、C型の3種類があり、全ての年齢層に対して感染し、世界中で繰り返し流行しています。日本などの温帯では、季節性インフルエンザは冬季に毎年のように流行し、通常、11月下旬から12月上旬頃に最初の発生、12月下旬に小ピークを迎えます。学校が冬休みの間は小康状態で、翌年の1-3月頃にその数が増加しピークを迎えて4-5月には流行は収まるパターンでありますが、冬季だけに流行する感染症では無く夏期にも流行する事があります。A型は平均相対湿度50%以下になると流行しやすくなると報告されています。

世界におけるインフルエンザ

全世界では、毎年300-500万人がインフルエンザに感染し、25-50万人の死者を出しています。先進国における死者は65歳以上人口が最も多く、また病欠・生産性低下といった社会的コストも大きいのが問題となっています。

予防接種について

インフルエンザワクチンの予防接種には、発症をある程度抑える効果や、重症化を予防する効果があり、特に高齢者や基礎疾患のある方など、罹患すると重症化する可能性が高い方には効果が高いと考えられます。
予防接種の接種回数については、13歳以上の方は、1回接種を原則としています。ワクチンの添付文書には「13歳以上のものは1回または2回注射」と記載されていますが、健康な成人の方や基礎疾患(慢性疾患)のある方を対象に行われた研究から、インフルエンザワクチン0.5mLの1回接種で、2回接種と同等の抗体価の上昇が得られるとの報告があります。ただし、医学的な理由により、医師が2回接種を必要と判断した場合は、その限りではありません。なお、定期の予防接種は1回接種としています。